 「西の善き魔女」シリーズ１・２・３・４ 中央公論新社 ( No.1 ) |
- 日時： 2002/10/04 22:53
- 名前： 唐鳥える
- あかがね色の髪の少女フィリエルは、天文台とただ１軒の農場のある荒地に、８歳の時もらわれてきたルーン少年を遊び相手に育った。１５歳になった彼女は、女王誕生日に変人学者の父ディー博士から豪華なペンダントを贈られる。それはフィリエルがグラール王家の血を引く者だということのしるしだった。
物語は主にフィリエルのあくなき自己確立への欲求に沿って回りますが、わたしは彼女がその時々に取る行動に、結構納得しながら読みました。第一部は「シンデレラ」、第二部は学園物、第三部は宮廷物、第四部はＳＦアドベンチャー、第五部でいっきに物語がたたみこまれます。外伝１は何と嵐ガ丘に？！ほろりとしました。
第二部の小道具の同人誌がちょっと読んでみたいです。
荻原規子さんのホームページ
http://homepage1.nifty.com/goodwich24/
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| 「風神秘抄」 ( No.2 ) |
- 日時： 2005/09/21 23:22
- 名前： ピピン
- 実にバランスのいい作品です。出だしが「平治の乱」から始まるのでちょっと堅くて重い感じがしますが、読み進めるとテンポもよく、調子も上向きに変わり、すぐに入り込めました。ヒロイン糸世も魅力的でエイロヌイを思い出させてくれました。そういえば主人公はタラン的かもしれません。一番チャーミングなのがカラスの「鳥彦王」。草十郎と鳥彦王の会話は親友同士のように軽妙で愉快なので、何度も吹き出して周囲の人の顔を伺うことになりました。そんなコミカルさの一方で、シリアスな感情もたっぷり入っている。草十郎の糸世への思慕の切なさが非常にいいですねえ。「比翼」という言葉が見事に生きていて、舞台で草十郎が糸世を思い出している場面は落涙してしまいますよ。切なさと安堵が同時にこみ上げる結末は指輪やタランを思い出させます。荻原規子さんのこれ以前の３部作もおもしろいが、この作品はますますノッている感じですね。おすすめの一冊！
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荻原規子